「酒母」の出来上りを待ち、いよいよ「仕込み」を迎えます。
「酒母」に「麹」「水」「蒸米」を加えたものが「もろみ」です。もろみは麹と蒸米と水を三回にわけて仕込む「3段仕込み」という方法で行われます。
1日目を初添え。翌日は酵母の増殖を待ち、何も加えません。これを「踊り」といいます。
3日目に仲添えと呼ばれる2回目の仕込みを行い、4日目に留添えとなる3回目の仕込みを行います。
麹が米のデンプンを糖に変えながら、並行して酵母がアルコールを生むこの醸造法は、『並行複発酵』と呼ばれる日本酒独特の酒造技術で、18%を超えるアルコール度数の酒づくりを可能にしました。
留添えののち「もろみ」を発酵させる日数や温度などは、杜氏の経験や化学分析で判断します。
杜氏は「もろみ」表面の泡などの状態から発酵状態を見極めます。
吟醸酒では、もろみの温度をおよそ6℃から10℃の間で管理し、発酵期間は30日以上になります。